税務に関するご相談
所得税
定率減税の廃止
平成19年度分から、所得税の定率減税(所得税額の10%相当額、限度額12万5千円)が廃止されます。
税率の改正
三位一体改革の一環として、所得税から個人住民税(国から地方)への税源移譲を行うために、所得税の税率が次のようにあらためられ、平成19年度分から適用されます。
【改定前】
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円から 3,299,000円まで | 10% | ー |
3,300,000円から 8,999,000円まで | 20% | 330,000円 |
9,000,000円から 17,999,000円まで | 30% | 1,230,000円 |
18,000,000円以上 | 37% | 2,490,000円 |
【改定後】
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円から 1,949,000円以下 | 5% | ー |
1,950,000円から 3,299,000円以下 | 10% | 97,500円 |
3,300,000円から 6,949,000円以下 | 20% | 427,500円 |
6,950,000円から 8,999,000円以下 | 23% | 636,000円 |
9,000,000円から 17,999,000円以下 | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円以上 | 40% | 2,796,000円 |
地震保険料控除の創設
①損害保険料控除を改組して、居住者が、所有する居住用家屋・生活用動産を保険等の目的とし、かつ、地震等を直接または間接の原因とする火災等による損害により生じた損失の額をてん補する保険金等が支払われる損害保険契約等にかかる地震等損害部分の保険料等を支払った場合には、その保険料等の金額の合計額(最高5万円)をその年分の総所得金額等から控除する地震保険料控除が創設されます。
②居住者が、平成19年以後の各年において、平成18年12月31日までに締結した一定の長期損害保険契約等にかかる保険料等を支払った場合には、従前の長期損害保険料控除と同様の計算による金額(最高1万5千円)をその年分の総所得金額等から控除することができます(上記①の控除と合わせて最高5万円)。ただし、当該長期損害保険契約等が上記①の損害保険契約等にも該当するときは、いずれかの契約のみに該当するものとします。
消費税
1.事業者免税点制度の引き下げ
納税義務が免除される基準期間における課税売上高の上限が、1,000万円(現行3,000万円)に引き下げ。
適用関係
この改正は、平成16年4月1日以後開始する課税期間から適用される。
- 個人事業者
- 平成17年分から
- 法人事業者
- 平成17年3月決算分から適用(事業年度が1年である場合)
ポイント
基準期間における課税売上高が1,000万円を超えることとなった場合には、「消費税課税事業者届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。
基準期間とは、個人事業者についてはその年の前々年をいい、法人についてはその事業年度の前々年度(前々事業年度が1年未満である法人については、その事業年度開始の日の2年前の日の前日から同日以後1年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間)をいう。
- 個人事業者の場合
- 平成17年分の基準期間は、平成15年1月~12月
- 法人事業者の場合
- 平成17年3月決算分の基準期間は、平成14年4月~平成15年3月
(3月決算と仮定)
2.簡易課税制度の適用上限の引き下げ
簡易課税制度を適用することができる基準期間における課税売上高の上限が5,000万円(現行2億円)に引き下げられる。
簡易課税制度とは、その課税期間における課税標準額に対する消費税額を基にして、仕入控除税額を計算する制度で、具体的には、その課税期間における課税標準額に対する消費税額に、みなし仕入率(第一種事業(卸売業)90%、第二種事業(小売業80%)、第三種事業(製造業等)70%、第四種事業(その他の事業)60%、第五種事業(サービス業等)50%)を掛けて計算した金額が仕入控除税額とみなして計算する方法。
実際の課税仕入れ等に係る消費税額を計算することなく、課税売上高のみから納付する消費税を計算することができる。
適用関係
この改正は、平成16年4月1日以後開始する課税期間から適用される。個人事業者は平成17年分から、事業年度が1年である法人については、平成17年3月決算分から適用される。
ポイント
- その課税期間の基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者が、簡易課税の適用を受けようとする場合には、その課税期間の開始の日の前日(事業を開始した課税期間等であればその課税期間中)までに所轄税務署長に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する必要がある。
- 簡易課税制度の適用を受けた事業者は、事業を廃止した場合を除き、2年間以上継続した後でなければ、この適用をやめることはできない。
3.中間申告の申告・納付回数の改正
直前の課税期間の確定消費税額(年税額)が、4,800万円を超える場合には、年11回(1月ごと)の中間申告・納付を行うこととなった。
適用関係
この改正は、平成16年4月1日以後開始する課税期間から適用される。したがって、個人事業者は平成17年分から、事業年度が1年である法人については平成17年3月決算分から適用される。
ポイント
直前の課税期間の確定消費税額 | 中間申告の回数 |
---|---|
48万円以下 | 中間申告不要 |
48万円超 | 年1回 |
400万円超 | 年3回 |
4,800万円超 | 年11回 |
4.総額表示の義務づけ
課税事業者が、取引の相手方である消費者に対して商品等の販売、役務の提供等の取引を行うに際し、あらかじめその取引価格を表示する場合には、消費税額(含む地方消費税)を含めた価格を表示することが義務づけられた。
適用関係
この改正は、平成16年4月1日から適用
ポイント
- 総額表示とは、次のような表示をいい、消費税額を含む支払総額が表示されていれば、併せて「消費税額」や「税抜価格」を表示しても差し支えない。
- 対象となる価格表示は、商品本体による表示(商品に添付または貼付される値札等)、店頭における表示、チラシ広告、新聞・テレビによる広告、インターネットによる広告など、消費者に対して行われる価格表示であれば、それがどのような表示媒体により行われるものであるかを問わず、総額表示の対象になる。
なお、口頭による価格の提示は、総額表示義務の対象にはならない。
また、価格が表示される場面としては、商品等の選択時(値札等)と代金の決済時(レシート等)がありますが、総額表示義務の対象となるのは、商品等の選択時の価格表示と定義付けされている。 - 総額表示義務の対象となるのは、あらかじめ取引価格を表示する場合であり、価格表示がされていない場合についてまで、価格の表示を義務づけるものではない
(表示例)
10,500円
10,500円(税込み) 10,000円(本体価格 10,000円)
10,500円(本体価格 10,000円、消費税等 500円)
10,500円(うち消費税等 500円)
(注)価格の表示が消費税等を含めた総額であれば、「総額である」旨の表示は必要ない。
5.課税期間の特例(課税期間の短縮)の改正
事業者の選択により、消費税申告の課税期間を3ヶ月ごととすると特例制度について、新たに課税期間を1ヶ月とする特例が設けられた。
適用関係
この改正は、平成16年1月1日から施行され、平成16年4月1日以後開始する年又は事業年度(3月ごとの課税期間特例の適用を受けている事業者は、平成16年4月1日以後開始する課税期間)から適用される。
ポイント
- この特例の適用を受けるためには、適用を受けようとする課税期間の開始の日の前日までに「消費税課税期間特例選択・変更届出書」を提出する必要がある。
- 課税期間の特例の適用を受けた場合には、事業を廃止した場合を除き、2年間以上継続した後でなければ、この適用をやめる又は他の課税期間特例に変更することはできない。ただし、3月ごとの適用から1月ごとの適用にする場合は、2年以内であっても可能。